日本人の寿命は現在、平均で83.7歳、男性が80.5歳、女性が86.8歳で、男性は世界6位、女性は世界1位です。
参考:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19H96_Z10C16A5CR8000/
しかし、これはあくまでも「生きている」という寿命です。
私達にとって大事なのは、単に長生きするだけでなく健康で長生きすることです。つまり、健康寿命が大事なんです。
*平均寿命と健康寿命の差は、男性で9年、女性では12年ほどあります。
今、老化のメカニズムが急速に解明されつつあります。その1つとして注目されているのが、「サーチュイン」という老化や寿命を制御しているという遺伝子です。
このサーチュイン遺伝子はほ乳類には7種類ほどあり臓器の老化、病気の抑制などに関係していると考えられています。
もし、このサーチュイン遺伝子をコントロールできれば寿命を延ばすことも可能です。
サーチュイン遺伝子を活性化させる物質「NMN」とは?
現在、サーチュイン遺伝子を活性化させる働きを持つと言われて注目されているのが、「NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)」です。
これは、誰でも持っている物質ですが、歳をとると減ってきてしまいます。
マウスによる実験では、この物質を投与すると老化で低下した機能が改善することが実証されています。しかも、副作用は一切ありません。
今は、臨床試験が人で行われていて効果の確認には今から1~2年後になります。
もし、実際に効果が確認されたらニコチンアミド・モノヌクレオチドを配合した薬とかサプリメントが将来、販売される可能性もあります。
このニコチンアミド・モノヌクレオチドは、動植物の脂肪組織の酵素などから作られます。特に果物や野菜などに含まれています。
なので、「果物や野菜をたくさん食べると増えるのでは?」と思うかもしれません。
ですが、食事だけで老化抑制効果を発揮できるだけの量のニコチンアミド・モノヌクレオチドを発生させるのは難しいそうです。
そもそもなぜ、人は老化するのか?
人の身体は60兆個もの細胞からできていると言われています。
生まれた時から私達は細胞分裂を繰り返して古い細胞を新しい細胞に作り変えることで、生きています。
ですので、永遠にこれを繰り返せば老化することはなくずっと生きることができるはずです。
でも、老化という仕組みがあるために一定の年齢までしか生きることはできません。
老化の原因ですが、はっきりとはしていません。いろいろな説があります。
・細胞分裂をする時にコピーミスが生じて、細胞が成城に再生されないという説
・一定数しか細胞分裂ができないように仕組みが備わっているという説
・生命を維持する時に発生する活性酸素が身体をさびさせるという説
・加齢で免疫力が落ちることで、生命にかかわる病気を患うという説
・etc
ただ、人の遺伝子が関係しているのではないかと思います。その証拠に長生きする家系があったり、短命の家系があったりするからです。
将来、人の老化の仕組みが解明される日が来るかもしれません。ですが、遺伝子を調べたらあらかじめ自分の寿命がわかってしまうなら、人の生き方も変わるのではないでしょうか。
老化に対抗するための方法、アンチエイジング
老化を食い止めたい。このための方法がいろいろあります。
・抗酸化作用がある食べ物を積極的に摂る
・太り過ぎず、痩せすぎないように体調を管理する
・ストレスをためずに楽しく暮らす
・適度に運動をして、社会とのつながりを持つ
・紫外線をあまり浴びないようにする
・脳を活性化させるような仕事や趣味を持つ
これらをすべてもしくは一部取り入れるだけでも、アンチエイジングの効果は十分にあります。
大事なのは、このようなことを習慣化して自分の生活の中に取り入れていくことです。
まとめ
長寿遺伝子を活性化される物質が実際に人間にも効果があることが実証されれば、平均寿命や健康寿命を今以上に延ばすことも可能になるかもしれません。
ただし、長生きすればするほど、「どのように生きるか?」が問われます。
単に生きるだけでは人は満足しません。
できれば「自分の人生に悔いなし」と思えるような一生を送りたいものですよね。
そのために、自分がどのように生きたいか、自分自身を見つめ直すことが大事になってきます。