長生きをする人が増えて誰もがいずれ高齢者になっていきます。
長寿で長生きができれば幸せですよね。
しかし、一方で認知症になってしまう人が増えていて社会問題となってきています。
認知症を防ぐにはどうしたらいいのでしょう。
実は認知症を起こす病気や習慣があるので、これを予防することが、認知症になるリスクを大きく下げます。
今回は、認知症を引き起こす病気&習慣とその予防についてお伝えします。
認知症になりやすい病気や習慣とは?
認知症になりやすい病気、そして病気ではないですが認知症になりやすい習慣があります。それがこちら。
・高血圧
・糖尿病
・喫煙
・睡眠不足
血圧が高ければ高いほどと血管性認知症になるリスクが高まることがわかっています。そして、中年の時から血圧が高いと、高齢になって血圧が高くなるよりも認知症のリスクが高くなります。
ですので、中年の時から血圧を低く維持しておくことが大切になります。
また、糖尿病だと、血管性認知症やアルツハイマー型認知症になるリスクが喫煙しない場合のそれぞれ約1.8倍、約2.1倍となります。また、血糖値が高い状態が続くと脳が老化します。
日本ではアルツハイマー型認知症がとても増えています。これは、糖尿病の増加が原因と考えられています。
そして、タバコを吸うと、血管性認知症やアルツハイマー型認知症になるリスクが喫煙しない場合のそれぞれ約3倍、約2.7倍となります。
タバコを吸うことで血管が破壊されたり血流が悪化したりすることが原因と考えられます。
でも、禁煙すると認知症リスクがそれぞれ約1.6倍、約1.9倍に下がります。
あと、睡眠が不足すると、アミロイドβの量が増えます。アミロイドβは脳の神経細胞が活発に働いている時に増えて寝ている時に排出されます。
しかし、睡眠時間が減るとアミロイドβの排出がされにくくなるんです。また、睡眠不足になると記憶が定着しないのでこれも認知症にはよくありません。
これによりアルツハイマー型認知症へのリスクが高まります。
認知症の予防は早くやらないといけない
認知症の予防のためには、高血圧、糖尿病にならないような生活習慣、そして喫煙しないことが重要です。
しかし、このような予防は歳をとってやったのでは遅すぎます。早めにやっておくことが大切です。
なぜなら、アルツハイマー型認知症は発症の20年以上前から変化が始まっているからです。
その鍵となるのが、アミロイドβと呼ばれる老廃物です。アミロイドβは20年以上前から徐々に脳に貯まっていきます。
そして、発症の10年前から脳の海馬が萎縮し始めます。そして、萎縮が進んでいくことで、アルツハイマー型認知症となります。
ですので、70歳で認知症になるとしたら、50歳以前から認知機能の衰えが進むので、この40代から予防をしたほうがよいということになります。
運動の認知症への予防効果が凄い
運動をすることが脳の老化予防に効果的なことがわかってきています。
実験ではウォーキングを継続して行うことで、脳の海馬の大きさが増えていくことが確かめられています。逆に運動をしないと、脳の萎縮は徐々に進んでいきます。
運動はある意味とても効果がある認知症の薬です。もし、認知症の予防をしたければ、運動を継続して行うことが有効です。
運度の負荷ですが、1週間に3回、1回で30~45分で息がはずむくらいがいいとのことです。ある程度の負荷をかけるのがポイントです。
歩くのが遅い人ほど認知症になりやすい
カナダのウエスタンオンタリオ大学による実験では、認知症になった人は歩く速度が遅いことがわかっています。
なぜ、歩くのが遅いと認知症になりやすいのでしょう?
それは、脳の前頭葉と関係があります。歩くことは脳の前頭葉が関わっています。
だから、前頭葉が傷ついたり、血液循環が悪化し前頭葉の働きが低下すると、歩く速度が遅くなるのです。
逆に言えば、歩く速度が遅くなってきたなら前頭葉の働きが衰えてきたこということです。もちろん、筋力の低下による歩く速度の低下もありますが脳も関係しているのです。
もし、歩く速度が遅くなってきたなら、それは認知症予備軍になっていることになります。例えば、不動産の広告で5分で歩ける場所に10分かかると要注意です。
今、歩くのが遅い場合、意識して早く歩くことが認知症の予防につながります。
認知症によい食事とは?
認知症には和食がよいと言われます。
しかし、実はある食品が認知症を防ぐのに効果があることがわかりました。それは牛乳です。
毎日、牛乳を摂っている人は、摂っていない人に比べて血管性認知症になるリスクは約0.69倍、アルツハイマー型認知症になるリスクは0.63倍であるという実験結果が報告されています。
牛乳を飲む量ですが、1日1杯(約150ml)飲むことが必要です。また、ヨーグルト、チーズなどでもよいそうです。
まとめ
認知症の予防をするためには、
・生活習慣病(高血圧、糖尿病)の予防
・喫煙をしない
・運動をする
・睡眠を十分にとる
・和食+牛乳の食事
これらをすべて行えば認知症になるリスクは半分に減らせるそうです。
ここからわかることは認知症を予防するには、特別に何かをしないといけないことはありません。
病気にならないで健康でいるために大事だと昔から言われてきたことを継続するだけで十分です。
ただし、これらを意識してやらないといけません。意識しないと悪い習慣に戻ってしまうからです。
また、若い時からこれらの予防をやっておけば歳をとった時に認知症にならずに済むはずです。
参考:NHK今日の健康 http://www.nhk.or.jp/kenko/choice/archives/2015/01/0110.html