認知症なると、徘徊、物忘れ、妄想など問題行動が増えます。ですので、対応に困ることも多いのではないでしょうか。
認知症の人に対して、怒ったり叱ったりしても、認知症の人は不安や恐れなどを感じてしまい何も解決しません。
どうしたら、認知症の人が不安を感じずに適切な対応ができるでしょう。
認知症の人が納得できるように対応する
家族が認知症になると、「なんとか治って欲しい」と誰もが思います。なぜなら、家族の認知症を受け入れることができないからです。
しかし、いったん認知症になると治ることはほとんどありません。
ましてや、認知症の人の行動を注意したり怒っても効果はほとんどありません。ですので、家族が認知症になったことを受け入れて、適切に対応することが必要です。
対応方法のコツは認知症の人が納得できるように導くことです。
以下は対応例です。
認知症の人の言動 | 認知症の人が納得する対応例 |
「ものがなくなった」、「ものが盗まれた」と訴える | 「クリーニングに出したよ」、「この前、寄附したよ」と本人が自主的にしたように説明する |
食事をしたのに「食事はまだ?」と聞く | 「炊飯器のスイッチを押し忘れたので、もう少し待っていてね」と説明する |
お風呂に何度も入る | 浴室に「本日停電」と貼り紙をする |
お風呂を嫌がる | 「会社の会合があるから準備をしよう」と言う |
「家に帰る」と言って出て行こうとする | 「外は嵐だからやむまで待とう」、「あとでお母さんが来るから一緒に送るよ」と言う |
車を運転しようとする | 「警察が運転禁止の通達を出した」と自作の紙を見せる |
便器に手を入れて便をいじる | 便器の横に「危険、消毒中」と貼り紙を貼る |
認知症の人に自分の価値感や常識を押しつけない
認知症の人は、記憶力や判断力などの認知機能が衰えています。だから、私達の価値感や常識とは別の世界で生きてます。
そのため、私達の価値感や常識に従わせることは困難です。
認知症の人を否定せずに、認知症の人の言葉や行動をうまく利用して、認知症の人が納得できるように対応することがとても大事です。
うまく対応ができれば、認知症の人は安心します。
介護に悩んだ時に連絡先
認知症の人を介護すると、悩んでしまいどう対応すればいいかわからなくなることもあります。
そんな時の相談先としては下記があります。
・認知症疾患医療センター:臨床心理士などが電話、面接で対応
・地域包括支援センター:社会福祉士、保健師が幅広く相談に対応
・認知症の人と家族の会:全国で家族の集いを開催。相談も可能(0120-294-456)
・認知症コールセンター:介護経験者が相談に対応
また、インターネットの検索エンジンなどで探すと他にもいろいろ見つかります。
まとめ
家族が認知症になってしまうと、「何とかしたい」、「どうしてなんだ」など現実を受け入れることができなくて、うまく対応ができないことがあります。
ですが、冷静に現状を把握して対応することが一番よい結果を生みます。
そのためにも、介護をする人は自分一人で悩まずに、専門家や身近な人に相談をして、介護される人も介護する人も満足できるような介護を目指すことが大事です。
参考:読売新聞