認知症になってしまうと、認知症の家族は認知症患者の資金などは自由にできなくなります。
銀行などの金融機関が資金などを凍結してしまうからです。
これは、認知症患者の財産を守るために行われますが、これが認知症の家族にとっては負担になります。
なぜなら、介護にかかるお金を自分達の資金から出さないといけないからです。
また、家族信託は遺言の代わりとしての役割もあります。
家族信託を老後資金に活用する
家族信託とは認知症になったり、将来の介護施設への入所に備え財産を管理し運用する権利を信頼できる家族に託すことです。
通常、親が財産管理を託する「委託者」になり、妻(夫)や子供が財産で利益を得る「受益者」になります。
信託銀行を利用する場合、受け付ける財産は現金になります。
銀行などに資金を預ける時、委託者が望む形で相続を実現できあます。
なので遺言書を作るのは気が進まないが財産相続での争いを避けたいという人にも適しています。
また、委託者と受益者は同じ人にもできるので生きている間は預けた資金を自分の医療費、介護費などにあてて死後に妻(夫)、子供、その他に残額を受け取らせることもできます。
また、残額の受け取り方法も一括ではなく年金のように一定額を受け取る方法も可能です。
主な家族信託商品
こちらは、銀行が提供している家族信託商品です。
ずっと安心信託(三菱UFJ信託銀行)
預入金額:200~3000万円
信託期間:5~30年
手数料:なし
*ただし、運用益からは運用報酬が差し引かれる
マイトラスト未来安心図(りそな銀行)
預入金額:1000万円以上
信託期間:相続発生時などの信託終了日まで
手数料:契約時に元本額に応じ1~3%。その後、年12万円(税抜き)
*ただし、運用益からは運用報酬が差し引かれる
家族おもいやり信託(一時金型)(三井住友信託銀行)
預入金額:100万円~500万円
信託期間:相続発生時などの信託終了日まで
手数料:なし
*ただし、運用益からは運用報酬が差し引かれる
家族リレー信託(三井住友銀行)
預入金額:1000万円以上
信託期間:5~25年
手数料:なし
*ただし、運用益からは運用報酬が差し引かれる
どの家族信託がいいのか?
まず、家族信託がどのようなものか、そしてどのようなメリット&デメリットがあるかを理解することが大事です。
何の理解や知識もなく契約を結んでしまうと、あとで大変なトラブルになることもあります。
銀行の家族信託にはそれぞれ特徴があります。
通常の家族信託と違い対象財産はお金のみで、他の資産、たとえば不動産などは対象外となります。
なので、すべての財産の信託とならないので完全な遺産相続の代わりにはなりません。
いずれにしても法律も絡むことなので、慎重に時間をかけて決めることが大事になります。
まとめ
認知症になる前に資金の使い道をどうするか決めておきたい。
このような人もいるかと思います。
銀行が提供する家族信託はその解決方法の1つです。
ただし、デメリットもあるために時間をかけて慎重に検討することが必要です。
個人的には現金の資産がそれほどない場合には必用ないと思います。
また、財産などが多い場合、遺言書を作って置く方がより安心かなと感じます。
いずれにしても費用はかかってしまうのですが、費用=安心料と考えるのがよいでしょう。
参考:読売新聞