認知症のも含め病気の原因が血管の老化にあることはとても多いです。
血管が老化してしまうと、血液の流れが悪くなるために栄養や酸素など細胞の新陳代謝に必要なものが、細胞にまで届きにくくなり細胞は死んでしまいます。
すると、身体のいろいろな臓器や器官の働きが衰えてしまいそれが病気を引き起こします。
でも、この血管の老化とはどのようなことなのでしょうか?
血管が硬くなる(動脈硬化)のが危険な理由
血管は柔らかい方がいいと言われますよね。
この理由は、血管が硬いと血液の流れの衝撃が臓器や脳などにそのまま伝わることで影響を与えてしまうからです。
もし、血管が柔らかいと、血液の衝撃が抑えらえるので、臓器や脳などにへの衝撃の影響も少なくなります。
ここで血管が硬くなるのは動脈(血液を心臓から送り出す)です。静脈(血液を心臓へ戻す)は弁の開閉と筋肉の動きで血液を戻すために、血圧はゼロで血流による衝撃はありません。
動脈はどのように老化していくのか?
動脈硬化には2つのタイプがあります。
1、動脈が狭くなる
2、動脈が硬くなる
まず1の動脈が狭くなるプロセスですが、LDL(悪玉)コレステロールが増えると結果の内皮細胞に貯まります。すると、白血球がLDLコレステロールを食べて減らします。これが続くと炎症物質を出し、死にます。そして、だんだんこの固まりが増えていくと、内皮細胞を押し上げてしまい、血管が狭くなります。
さらにこのような血管だと傷が付きやすくそれが血栓を引き起こします。そして血栓により血管が詰まったり、取れた血栓が血液の流れを止めてしまいます。これにより最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。
ですのでLDLコレステロールを減らすことが、動脈を狭くするのを防ぐために有効です。
2の動脈が硬くなる方ですが、血管の中の中膜にカルシウムが沈着することで血管が硬くなります。
一度石灰化してしまうと、それを取り除くことは現在できないと言われています。ですので、進行を抑えるために薬や生活習慣を改善することが重要となります。
動脈硬化の危険性が高い人とは?
動脈硬化の危険性が高い人はこちらです。
・脂質異常がある(LDLコレステロールが内膜を狭める)
・内臓脂肪が多い(LDLコレステロールが内膜を狭める)
・血圧が高い(血管内膜を傷つける)
・喫煙をする(血圧が上がる、血管内膜を傷つける)
・糖尿病である(血管の内膜と中膜に石灰化を進行させる)
・骨粗しょう症である(血管のカルシウムが増える)
・睡眠時無呼吸症候群である(低酸素により動脈硬化が進行する)
このような症状や病気がある場合には、特に動脈硬化に注意しないといけません。
動脈硬化症疾患予防ガイドライン
こちらは、糖尿病や心臓病などがない人が今後10年間のうちに冠動脈疾患で死亡する率です。
引用元: 動脈硬化疾患予防ガイドラインについて
上記は、冠動脈疾患になり死んでしまう確率ですが、冠動脈疾患自体になる確率はこの3倍ほどになります。
これを見るとわかるように、血圧が高い人、コレステロール値が高い人、喫煙する人ほど、冠動脈疾患になり死んでしまう確率が高くなります。
逆に言えば、冠動脈疾患にならないためには、血圧を低く抑え、コレステロール値を下げ、タバコを吸わないことが重要になります。
お酒を飲むのは動脈硬化に悪いのか?
適度な量のお酒は、動脈硬化によいと言われてます。
ただ、適度な量は人によって違いますよね。お酒に強い人なら、たくさん飲んでも大丈夫だったり、お酒に弱い人なら少なくてもよくなかったり。
しかし、一般的な1日の酒量の目安としては、ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯です。
もし、飲み過ぎると、動脈にもよくありませんし、肝臓などの臓器への負担も増えます。
まとめ
血管は普段あまり意識することはありません。ですが、血管の状態がよい人と悪い人では、その後に病気になるかどうかの大きな差につながります。
動脈硬化はいろいろな原因で進行するので、生活習慣の改善や健康診断などで血管の状態を知ることはとても大事です。
そして、何と言っても血管を若く保つための予防が重要です。日頃から食事に気を付けたり、運動をしたり、ストレスを貯めないようにすると共に、太ってしまったらダイエットをして、体重は落とす方がいいでしょうね^^。
参考:NHK今日の健康 http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2016/05/0502.html