もし、家族の誰かが認知症になったら…。
驚いたり、信じられなかったり、不安になったり、怒りたくなったり、感情が自分でコントロールできなくなるかもしれません。
ひとことで言えば、「ショック状態」。なぜ、夫が、妻が、父親が、母親が、…。
認知症という病気になった事実を認めたくないと思うでしょう。
しかし、家族が認知症になったら現実的には病院通い、家での介護、施設への入居など何らかの変化が訪れます。
そして、家族皆の生活スタイルを変えてしまう可能性があります。
でも、家族が認知症になったとしても他の家族が犠牲になることなく楽しく生活することができる方がいいはずです。
今回は、家族が認知症になっても楽しく生活するためポイントをご紹介します。
1、すべてを自分でやろうとしない
すべてを自分でやろうとしないことは、楽しく生活するために大事です。
完璧主義者や責任感が強い人は、認知症になった家族のためにあれやこれやと気を使い、考え過ぎてしまい頑張り過ぎてしまいがちです。
しかし、頑張り続けることは長続きしません。どこかで息切れしてしまいます。でも、それでも「私が頑張らなきゃ」という気持ちが強いと、自分の心身が疲れていても頑張ってしまいます。
これが続くといずれ面倒をみている自分自身が倒れてしまったり、病気になってしまいます。すると、認知症の家族の面倒がみれなくなります。
認知症の家族の面倒は、どれぐらい長くなるかわかりません。ですから、絶対に無理は禁物です。
十分に余力を持って世話ができるように体制を整えないとダメです。
もし、世話をする人が自分しかいないとしてもケースワーカーや役所などに相談したりして、まずは自分が元気で世話をできるようにするべきです。
認知症の人の世話は、一人で100点満点を目指すのではなく、複数の人の力を借りながら100点を目指すようにしてください。
2、プライベートの時間を確保する
プライベートの時間を確保することは、楽しく生活するために必要です。
認知症の家族の面倒をずっとみていると、生活にうるおいがなくなり行き詰まってきます。まるで修行のように同じことを長時間し続けることはつらいことです。
1日の中で自分の時間を持つようにしたり、休憩する時間を取ることで心がリラックスできて、身体の疲れをとることができます。
可能であれば、仕事を持ったり趣味の時間を確保して人と触れ合うことがおすすめです。
人とのふれ合いが一番人を元気にします。
3、生きがいを持つ
生きがいを持つことは、楽しく生活するために大切です。
生きがいは、自分が心から楽しいと思うことならなんでもかまいません。
例えば、
・ボランティア活動
・友人とのおしゃべり
・海外への旅行
・資格の取得
・新しいことへのチャレンジ
・不得意なことの克服
・etc
熱中できることがあると、それにだけ意識を向けることができます。すると、家族が認知症であることも忘れることができ悩んで苦しむことを減らすことができます。
4、しっかり食べ、寝る
しっかり食べ、寝ることは、楽しく生活するために大切です。
家族が認知症になると、「これからどうなるんだろう?」と、そのことばかりを考えてしまってつらくなりがちです。
そして、食欲がなくなったり夜眠れなくなり、寝てもすぐに目が覚めてしまったりします。すると、いつの間にか心身ともに疲れてしまいます。
だから、家族が認知症になったとしても生活のリズムは変えてはいけません。
しっかり食べて、寝る。これができていれば健康を維持することができます。
また、自分が健康であることが、認知症になった家族の面倒をみる上でももっとも大事なことです。だからこそ、自分の健康管理にも注意をしてください。
5、友人関係を大切にする
友人関係を大切にすることは、楽しく生活するために必要です。
家族の介護や世話をしていると、それにかかりっきりとなり友人関係がおろそかになりがちです。また、友人の方も「あの人は家族の介護で忙しい」と思ってしまい、あえて関わりを積極的にしなくなることがあります。
すると、ますます友人関係は希薄になりがちです。でも、家族が認知症になっても自分の生活を犠牲にしてはいけません。
認知症になった家族の面倒をみるためにも、自分は元気ではつらつとしている必要があります。
そのためには、友人関係はとても大事です。時々は友人と会って話したり、一緒に出かけて交流し、交友関係を深めるようにすることで自分の生活が充実すれば、心に余裕を持ちながら認知症の家族の面倒をみることができます。
6、家族が認知症であることをオープンにする
家族が認知症であることをオープンにすることは、楽しく生活するために必要です。
家族が認知症になると「認知症患者がいると思われたくない」と考えて誰にも言わないようにする人がいます。
しかし、これだと周りは助けることができません。
例えば、近所の人に家族が認知症だと話しておけば、認知症の家族が徘徊などで外に出たときに気を付けていてくれるようになり、迷子になることを防ぐことができます。でも、近所の人が家族が認知症だと知らなければ、単なる外出だと思ってしまいます。
家族が認知症だと話すのは勇気がいることかもしれませんが、話した方が絶対にいいですし、その方が近所の人といい関係が築けるはずです。
7、自分と同じ立場の人とつながりを持つ
自分と同じ立場の人とつながりを持つことは、楽しく生活するために必要です。
家族が認知症になって周りの友人や知人が助けてくれたとしても、「なぜ、自分がこんな目に会うんだ」、このように思ってしまうことがあります。
なぜなら、立場が違うので自分のことをわかってくれないと思ってしまうからです。
でも、自分と同じように家族が認知症になり世話をしなければ行けない人とつながりを持つと、お互いに共感できるのでとても強い心の支えとなります。
認知症家族の会は全国にありますし、認知症の面倒をみる施設、認知症カフェなどに行けばそこで認知症の人を支える人達に出会う機会も増えます。
自分と同じ立場の人とつながりを持つことで、心理的な不安やストレスの軽減に役立ちます。
8、動物や植物と触れ合いを持つ
動物や植物と触れ合いを持つことは、楽しく生活するために必要です。
人との触れ合いはいつでも持てるとは限りませんが、動物や植物との触れ合いはいつでも持つことが可能です。
おすすめの動物は、犬や猫です。飼いやすいし、共に時間を過ごすことで癒やされます。また犬であれば毎日散歩をすることになるので、それがリフレッシュにもなります。
もし、動物が苦手であれば、植物を育てるのがおすすめです。植物は愛情をかけて大事に育てればスクスクと成長して、時には話し相手になってくれるでしょう。
9、ショッピングをする
ショッピングことは、楽しく生活するために必要です。
お金を使って物を買ったりサービスを利用することは楽しいことですよね。生活を豊かにしてくれます。
認知症の家族がいると、「これからお金がかかるから節約しなきゃ」というふうに思ってしまう人がいます。
確かにお金はかかるでしょう。しかし、だからといってショッピングを控えてしまうと生活そのものの質が落ちてしまいます。
だからこそ、ショッピングはとても大事です。定期的に買い物に行くことで外出する機会も増えますし、ショッピングすることで気分転換になります。
10、マインドフルネスをする
マインドフルネスことは、楽しく生活するために役立ちます。
マインドフルネスとは、瞑想や座禅などと同じことです。
目をつむるか半眼にしてゆっくり呼吸をしながら呼吸に意識を向けたり、1つ1つの動作を意識することで、思考しないようにします。
私達は常に考えることをし続けていますが、これが脳を疲れさせます。
家族が認知症になってしまうとそのことばかりを考えがちになりますが、だからこそ脳が疲れてしまうんです。
マインドフルネスをすることで、考えることから解放され脳が休息できるので、脳の疲れをとれるし脳の機能を高めることができます。
まとめ
家族が認知症になっても楽しく生活するための10のポイントをまとめた結果が下記です。
1、すべてを自分でやろうとしない
2、プライベートの時間を確保する
3、生きがいを持つ
4、しっかり食べ、寝る
5、友人関係を大切にする
6、家族が認知症であることをオープンにする
7、自分と同じ立場の人とつながりを持つ
8、動物や植物と触れ合いを持つ
9、ショッピングをする
10、マインドフルネスをする
家族が認知症になったからといって、家族の生活を犠牲にしてしまい家の中が暗くなってはいけません。
もし、家の中が暗くなってしまったら家族は不幸せになってしまい結果的に認知症患者のためにはなりません。
たとえ家族が認知症になっても、やり方次第で家族の生活の質は高いまま維持することができます。
上記10のポイント以外にも楽しく生活する方法はいろいろあるはずです。自分なりに探して実践してみてください^^。