
高齢者が認知症になったり、身体の自由がきかなくなるとお世話になるのが大人用の紙おむつです。
実はこの大人用紙おむつの利用はどんどん増えています。
これと共に大人用紙おむつが自治体ゴミとして出される量も増加しています。
これは致し方ないことですが、新たなゴミ問題を生み出しいます。
なぜ、大人用紙おむつが問題なのか?
紙おむつは子供用と大人用があります。
大人用の紙おむつが問題なのはその大きさにあります。
大人用ですから子供用と比べてかなり大きいです。
見た目では、乳児用のオムツの5倍以上。
これだけ大きいと、重さも相当なものになります。
そして、大人用オムツは大量の水分が含まれており、燃えにくいのです。
すると焼却炉を傷めることにつながり、焼却炉の耐用年数が減ってしまいます。
多くの老人ホームなどでは大量のおむつゴミが出て、すべてのゴミの9割がおむつになります。
ある有料老人ホームを運営する事業者の分析では、65歳以上が出すゴミは1ヶ月あたりで43キロ。
要介護3の人だと平均して半分が紙おむつで、要介護が重いと8~9割が紙おむつになるそうです。
紙おむつが必用な高齢者は2015年次点で450万人で2030年には670万人と推定されてます。
すると、一般ゴミに占める紙おむつの割合は2015年の5%から2030年には8%まで伸びるとの予想です。
すると、自治体でのゴミ処理ができなくなる恐れがあるのです。
ちなみに2017年に出た大人用紙おむつの量は144万7600トン、45リットルのゴミ袋に換算して約9651万袋にも達します。
将来、紙おむつをゴミ出しできなくなるかも?
ある自治体では、病院や介護施設などからのおむつゴミの持ち込みを認めていません。
このため、民間企業に依頼しておむつゴミを処理しています。
今後、さらに大人おむつの利用が増えれば、多くの自治体で、紙おむつのゴミ出しを禁止する可能性もあります。
今のところ一般家庭からのおむつゴミの処理は禁止されていないようですが、個人レベルで禁止させると自宅で介護している人は困ってしまうでしょう。
大人用紙おむつの利用量が増えてしまった理由
なぜ、大人用紙おむつの利用量が増えてしまったのか。
もちろん、利用者は増えているのですが他にも原因があります。
それは、介護する側が大きな紙おむつを使ってしまうためです。
現在、たくさんの種類の紙おむつが販売されています。
そのため、介護する人が大人用おむつの選び方に迷ってしまい、吸収量が多い一番大きな紙おむつを購入する傾向があります。
また、隙間洩れなどを防ぐために複数枚を重ねて利用する人もいます。
さらに、紙おむつが不必要でも転倒などを避けるために紙おむつを利用する人もいます。
結果的に、紙おむつは量も重さも増加してしまうのです。
このような状況を避けるためには、
「紙おむつの適切な選び方と使い方の知識を身に付ける」
ことが大事になります。
まとめ
大人用紙おむつのゴミ問題がここまで大きくなることは誰も予想しなかったかもしれません。
ですが、今のうちに何とかしないと今後、さらに大きな問題となってしまうでしょう。
今、紙おむつをリサイクルしようという動きが始まっています。
リサイクルすることで、おむつを建築資材などに変換することができるようです。
こうなれば、大量のおむつゴミが減ることになり、一気にゴミ問題が解決に向かうかも知れません。
ただ、紙おむつとそれ以外のゴミを分別する必用があるため、どのように行うか課題はあります。
個人的にはおむつに変わるもっと画期的な排尿・排便の仕組みができないのかなと思います。
例えば、今では当たり前になったシャワートイレ。このトイレの登場により紙の利用量が一気に減りました。
おむつゴミもおむつを使わずに済んだら、さらに理想的です。
今後の関係者の取り組みに期待したいところです^^。
参考:読売新聞