食べることは、子供でも大人でも高齢者でも、そして認知症の人にとっても大事なことです。
しかし、歳をとってくるとどうしても食べることが不自由になってきます。不自由になってしまう原因の1つが嚥下障害です。
嚥下とは、「食べ物や飲み物を飲み下すこと」です。
嚥下機能が低下すると、食べたり飲んだりすることがしにくくなり、場合によっては食道ではなく器官に食べ物や飲み物が入り込むことで咳き込んだり、肺炎になることもあります。
人間に死亡原因の1つに肺炎がありますが嚥下機能が低下して肺炎になり死んでしまう人もいます。
ですので、しっかり食事をするためには、嚥下機能の低下を予防したり、改善することが大事になります。
では、嚥下機能の衰えを予防、改善するためにはどうすればよいのでしょう。
1、腹式呼吸をする
腹式呼吸をすることで、呼吸機能を高めることができ嚥下機能の予防や改善ができます。
腹式呼吸は、
1、鼻から息をゆっくり吐きます。
2、お腹を意識して息を出し切ります。
3、鼻から息をゆっくり吸います。
4、お腹を意識して息を吸いきります。
5、1~4を繰り返します。
この時、口呼吸にならないように注意をします。口呼吸だと、雑菌などが直接体内に取り込まれ喉を痛めて風邪を引いてしまう可能性が高まります。
2、大きな声を出す
大きな声を出すことで、口や喉の筋力がアップされて、嚥下機能の低下の予防や改善ができます。
朝早い時間に誰もいないような所で発声練習をしたり、カラオケボックスなどで歌を歌ったりするといいでしょう。
3、口、舌、首を動かす
意識的に、口や舌や首などを動かすことで、嚥下機能が落ちることを予防したり、嚥下機能を改善できます。
例えば、ほっぺたを膨らませたり、へこます。舌を出して上に上げたり下げたり、左右に出したり引っ込めたりします。また、首を前後左右に動かします。
繰り返し行うことで、口や舌の動きがなめらかになります。
4、会話をする
1人でいると、会話をしないままで過ぎてしまいます。これだと、口や喉が鍛えられれません。
意識的に人と話す機会を作ることで、口や喉が自然に動かせるので、嚥下の機能の劣化や予防に効果があります。
積極的に人と会話をするために、趣味、スポーツ、仕事など人と関わることが必要なものに携わることが大事です。
5、口と歯を健康な状態にする
口の中に雑菌がいるとその雑菌が繁殖します。また、虫歯や歯槽膿漏になると、食べ物を咀嚼する能力が衰えてしまったり、歯周病菌により誤嚥してしまう危険が高まります。
ですので、口と歯を健康な状態にすれば嚥下による咳き込みや肺炎の抑制に効果があります。
そのためにも、日頃から歯と口のケア(歯磨きやうがい)をしっかりやることが大事です。
6、よく噛んで食べる
食べる時には、よく噛んで食べないと食べ物が喉に詰まったり、器官に入りやすくなります。また、よく噛むことで口や喉が鍛えられて、嚥下機能の低下を予防したり、改善につながります。
もし、歯や顎が衰えてきてしまった場合は、咀嚼しやすいような柔らかめの食べ物を摂るようにするといいです。
7、ツバの飲み込む
嚥下機能が落ちてくるとツバを飲むのも大変になります。嚥下能力の低下の予防や改善のために、日頃からツバを飲み込む訓練をするといいです。
逆に言えば、ツバが飲み込みづらく感じたり嚥下機能が落ちてきている証拠です。
8、体力をアップさせる
身体全体の体力がアップすることで、嚥下機能の予防や改善につながります。体力が落ちてきてるということは、嚥下も含め身体のいろいろな機能が落ちていることです。
ですので、身体全体の体力を保持するように日頃から運動などを行うことが、嚥下機能の予防や改善につながります。
9、よく笑うようにする
笑うことで、口が大きく開き大きな声が出ます。これによって、喉も鍛えられ嚥下機能の予防や改善に効果的です。
日頃から、自分が笑えるようなテレビ番組を見たり、親しい友人や家族と過ごし意識的に笑う時間を作るようにするといいでしょう。
また、ストレスなどを解消することで憂いがなくなり、笑いやすくなります。
10、姿勢をよくする
猫背などになり姿勢が悪い状態だと、飲んだり食べたりしにくくなります。
姿勢が悪いとすぐに嚥下機能が悪くなるわけではありませんが、飲み込みにくくなることが続くことで嚥下機能の劣化につながります。
まあ、姿勢が悪いということは、身体の老化や体力低下が進んでいるということでもあるので、姿勢をよくするようにすることで、老化や体力低下を食い止めることにもなります。
まとめ
嚥下機能が低下することを予防、改善するためのポイントがこちら。
1、腹式呼吸をする
2、大きな声を出す
3、口、舌、首を動かす
4、会話をする
5、口と歯を健康な状態にする
6、よく噛んで食べる
7、ツバの飲み込む
8、体力をアップさせる
9、よく笑うようにする
10、姿勢をよくする
嚥下機能は知らず知らず落ちてきます。
「食べ物が飲み込みづらくなってきたな」とか「食べるとむせることが増えた」なら、嚥下機能の低下が進行してきた証拠です。
すぐにでも嚥下機能の低下を食い止めるために行動を開始することがおすすめです。
嚥下機能の低下をすると、食べたり飲んだりすることが不自由になります。そのため、最悪は胃瘻や点滴で栄養をとるようになります。
食べたり飲んだりする楽しみがなくなり、精神的にも落ち込みます。
ですので、このようなことにならないために日頃から、嚥下機能を強化することをおすすめします。