認知症になる人が増えるに連れて、その介護にたずさわる人も増えていきます。
特に負担が増えてしまうのは、身内。
例えば、父親が認知症になると介護するのは母親だったり、子供になります。
また、高齢のお年寄りだと子供がすでに他界してしまい孫が介護をすることもあります。
この介護ですが、長くなればなるほどその負担は相当なものです。
場合によっては、介護する人は身体だけでなく心も病んでしまいます。
介護する人の心は複雑
認知症となって介護が必用になっても、他人の世話を拒む人がいます。
ですので、こういう場合、家族が世話をせざるを得ません。
それに、
「家族が認知症になったのだから、家族が面倒をみるのは当たり前」
こういう考えがあるために、懸命に介護に取り組んでしまいがちです。
しかし、介護って大変ですよね。
だから、介護疲れがひどくなると認知症の家族の眠っている姿を見て
「このまま逝ってくれたら幸せなのに…」
と思ってしまうこともあります。
すると、
「なんで自分勝手なことを考えてしまうんだ」
と自己否定に陥ってしまいます。
ですが、このように介護から解放されたいと思うことは普通のことです。決して、特別ではありません。
国は自宅での看取りを薦めている
老人介護施設などの不足から、国は、自宅で最期とを看取るということを推奨しています。
それに介護される人も自宅で亡くなることを望んでいます。
しかし、現実はそんなに簡単に実現できません。なぜなら、以下のような理由があるからです。
・介護している家族も老いている
・病気をかかえている家族だと難しい
・一人に負担がかかってしまう
・介護をするためのやり方を知らない
・etc
国や自治体は、自宅での看取りを推奨しているのですからこのような現実を踏まえ、どうすれば介護者の負担を減らして自宅で暮らし続けることができるかをしっかり考えていってほしいものです。
また、個人レベルでも国や自治体に一方的に任せないで、自宅での介護、看取りをどうしたら少ない負担でできるかを一緒に考えていく必用があります。
認知症の介護は一人ではできない
認知症介護で疲弊する人はどんどん増えてます。
このような現実をみても認知症の人を一人で介護するのは、無理です。
まず介護している人は、一人で介護することをあきらめないといけません。
そして、周囲の助けを借りることが絶対必用です。
介護負担でつらくなった時、家族や周囲に相談する人がいればまず話しを聞いてもらう。
それができないなら、「地域の包括支援センター」に相談するといいでしょう。
相談をすることで、自分だけでは思いつかない、考えつかない解決方法が見つかることがあります。
また、いい解決方法がすくに見つからなくても、介護の悩みを誰かと共有するだけでも心のケアになります。
介護はきれいごとじゃない
介護の負担は口では言い表せないほど大変なものです。
特に今のように、老老介護、認認介護などが増えているならなおさらです。
そして、これは、人ごとではなく誰の身にも起こり得る問題です。
もし、「介護している家族がいなかったらどんなに楽だろう」という思いがいつも沸き起こってくるのであれば、自分の心が病んできているということです。
このまま介護を続けることは、介護されている家族や介護している自分にとってもよくありません。
今や在宅介護は家庭問題ではなく社会問題です。
誰もが在宅介護はどうあればいいのかを考えないといけない時期となっています。
まとめ
介護に追い詰められてしまう人が増えている現実。
これを解決するための方法を見つけるのは、簡単ではありません。
ただ1つ言えるのは、何も行動しなければ何も変わらないということ。
まずは、介護している人自身が行動を起こすこと。そして、周りの人も介護している人が疲労していたら、声をかけてあげること。
介護している人の行動として私がおすすめするのは、
・人(家族、友人、知人など)や団体(包括支援センターや役所)とつながること
・同じように介護している人と交流して情報交換すること
・介護についての知識、スキルを身に付けること
です。
人は過去にもいろいろな問題を抱えてきましたが、それをなんとか乗り越えて今まで生き延びてきました。
ですので、介護の問題だってきっと乗り越えられるはずです。
私はそう信じています^^。