高齢化の進展でいま関心が強まっているのがフレイルです。
フレイルとは加齢に伴う虚弱のことで、フレイルにならない、またフレイルになってもいかにフレイルから脱出するかが、介護にならないために大事なのです。
フレイルチェックのリスト
下記はフレイルをチェックするためのリスクです。
イレブンチェックと呼ばれています。
1、健康に気を付けた食事を心がけていますか?(いいえ)
2、野菜料理と主菜(肉または魚)を両方とも毎日2回は食べていますか?(いいえ)
3、「さきいか」「たくあん」ぐらいの食品を普通に噛みきれますか?(いいえ)
4、お茶や汁物でむせることがありますか?(はい)
5、1日30分以上の汗をかく運動を週2回以上、1年以上していますか?(いいえ)
6、日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上してますか?(いいえ)
7、ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか?(いいえ)
8、昨年と比べ外出の回数が減っていますか?(はい)
9、1日に1回以上は誰かと一緒に食事をしますか?(いいえ)
10、自分が活気にあふれていると思いますか?(いいえ)
11、何よりもまずもの忘れが気になりますか?(はい)
かっこ内の答えなら、点数を1点として逆なら0点とする。点数が高ければ高いほどフレイルリスクは高くなります。
この他に、フレイルをチェックするテストとして「指わっかテスト」というものがあります。
これは、両手の親指と人差し指で作った輪で自分のふくらはぎの一番太い部分を囲み、隙間があるかどうかをチェックします。
隙間がある場合、筋肉量が減ってしまっている可能性があります。
太ももは筋肉があって太い方がいいんです。
フレイルリスクと活動の種類との関係
日常的に行う活動には大きく3種類あります。
それは、
1、身体活動(運動)
2、文化活動
3、ボランティア、地域活動
です。
1~3すべての活動をやっているとフレイルリスクは最も少なくなります。
この3つの中でフレイルリスクを最も低くする活動は、3のボランティア、地域活動です。次が2の文化活動で、最後が1の身体活動です。
ただし、3つの中の2つをやるとしたら、1と3の活動をやることがフレイルリスクが最も低く、次が1と2、最後が2と3です。
つまり、身体活動とそれ以外の活動を組み合わせるとフレイルリスクは少なくなるということです。
東京大学高齢社会総合研究機構の教授は
「フレイルは筋力などの身体機能の低下より先に社会参加や口の機能の衰えから始まる」
と語っています。
社会との関わりが薄れると身体活動も低下し口の機能の衰えは栄養不足の恐れがあるのです。
また、同居者がいても毎食1人で食べる孤食の人は1日1回でも誰かと食事をする人に比べうつ傾向になるリスクが4倍、栄養不足になったり歩行速度が遅くなるリスクも高くなります。
「運動はもちろんした方がいいが、あえて運動・スポーツという形をとらなくても人とのつながりがあれば結果的に歩くなどの身体活動を一定程度行っていると考えられる」
ということです。
海外の報告によるフレイル判定の目安
統一されたフレイルの判定基準はありません。
しかし、海外の報告をもとにフレイルと判定する目安があります。
それがこちら。
1、半年で体重が2~3kg以上減った
2、疲労感が続く
3、運動の機会がない
4、握力が男性26キロ、女性18キロ未満
5、青信号のうちに横断信号を渡れない
5項目のうち3項目に該当したらフレイルです。
まとめ
フレイルチェックをしてフレイルリスクを客観的に判断することは、自分の体力低下に早く気付き、生活習慣を見直すのに効果的です。
また、できるだけ若い頃から運動、文化活動、ボランティア・地域活動などを積極的に行うことで、フレイルになるのを予防できます。
やはり歳をとってから急に活動をするのは難しいですからね。
ただ、いっぺんにやろうとしても大変ですし、嫌になってしまう可能性があります。
まずはできることから始めてはどうでしょうか。
このようにすれば無理なくできるでしょうから、継続しやすくなります。
フレイルにならないようにできれば介護が必要な状態や認知症になることを予防でき、元気で長生きを実現できるはずです(*^o^*)。
参考:読売新聞