食べ過ぎることでの肥満が病気などの原因となり、寿命を短くしてしまうのは誰もが知っている事実です。
でも、カロリー制限をすると寿命が延びるかどうか。
これに対しては、長い間論争が続いていました。
しかし、この論争にとうとう決着がつきました。
寿命を延ばすには、量と質が大事
20年以上にわたり、アメリカのウィスコンシン大学と国立老化研究所は猿の長期観察研究をやってきました。
ウィスコンシン大学 ⇒ カロリー制限で病気の抑えられ寿命が伸びる
国立老化研究所 ⇒ カロリー制限の有無で明確な寿命の違いはない
このように同じような猿の長期観察研究でも異なる結果が出ていました。
しかし、両者の実験方法を吟味したところ、餌の量、質、与える時間などの違いがあり、これが結果に影響していることがわかりました。
結果としては、
「カロリー制限は、病気の予防に効果がある」
ということでした。
実験では、カロリー制限により
・ガン
・糖尿病
・白内障
・関節炎
・骨粗鬆症
などの発症が抑えられることが確認されています。
中でもガンでの効果が高いそうです。
戦後、日本でもガンになる人が増えましたがこれは、食生活の変化がその大きな原因ということです。
カロリー制限のポイント
カロリー制限をする時のポイントがこちら。
・食べるタイミングを考える(規則正しいことが望ましい)
・食後の血糖値が急に上がらないようい工夫する(食べる順番を考える)
・栄養のバランスを整える
・食事と共に運動を組み合わせる
これは、生活習慣病の予防のために必用なポイントと同じことになります。
食事に関しては、低脂肪、高タンパクで食物繊維のが多い食事が望ましいでしょう。
食べるタイミングですが、基本は朝昼晩の3食を決まった時間に食べることです。
栄養に関しては、偏りなくあらゆるものを組み合わせて食べることが大事です。
食事と共に身体を適度に動かす運動を一緒にやることで、結果的にカロリーを制限できます。
カロリー制限の注意点
「カロリー制限すれば長生きできるなら、なるべく食べる量を減らそう」
こう考えてしまい、自分本意に食べる量を減らすと、問題が出てくる可能性があります。
例えば、子供など成長期にある人は、カロリー制限をすることで成長を妨げる危険性があります。
また、高齢者はカロリー制限をすることでかけって栄養不足になってしまう恐れがあります。これによりフレイル(虚弱)となってしまい、かえって寿命を短くしてしまうこともあるのです。
上手にカロリー制限をするためには、
1、夜遅くには食事をしない
2、食べる時には野菜から食べる
3、精製されていない食品を食べない
4、栄養バランスを考えて食事を摂る
5、適度な運動を習慣づける
このような点に注意をするといいでしょう。
カロリー制限というと、絶食とか断食などを考える人もいますが、かえって体調を崩す恐れがありますので、やるとしてもちゃんとした指導の元で行う必用があります。
まとめ
研究結果から言えることは、カロリー制限をすると寿命が延びるというのは、本来元々人が持っている最大寿命に近づけることができるということです。
なので、カロリー制限というよりも適度なカロリー摂取により病気になりにくくなり、寿命が結果的に伸びるようになるだけです。
昔から健康によいとされる「腹八分目」が研究結果から実証されたということでしょう。
個人レベルで今回の結果を利用するには、
・体重
・体脂肪率
・体型(ウエスト、ヒップ、二の腕の太さなど)
これらを定期的に調べ、問題がないかを見極めることが大切です。
もし、以前と比べて大きく変化してしまったら食べ過ぎや運動不足、病気など何らかの問題が考えられるので、食事や運動習慣の見直しや診察などが必用となります。
参考:読売新聞